北欧食器の中でも高い人気を誇るアラビア(ARABIA)。その中でも「ルスカ(Ruska)」シリーズは、ヴィンテージ好きにとって憧れのアイテムです。温かみのある茶色の釉薬が特徴のルスカは、使いやすく、長年愛され続けてきました。
しかし、ネットオークションやフリマアプリで購入を検討する際、「刻印がないルスカは偽物?」という疑問を持つ方が非常に多いです。実はこれ、誤解が多いポイントのひとつです。
本記事では、アラビア ルスカの刻印の特徴、なぜ刻印が消えてしまうのか、刻印なし製品が本物かどうかの見分け方などを詳しく解説します。これを読めば、刻印がないルスカを見つけても安心して購入・使用できるかもしれません。
アラビア ルスカとは?魅力と歴史
アラビアはフィンランドの陶磁器ブランドで、北欧デザインの代表格です。1916年の創業以来、数多くの人気シリーズを世に送り出してきました。その中で「ルスカ」は1960年代後半から1970年代にかけて製造されたシリーズで、シンプルで飽きのこないデザインと独特のブラウンの釉薬が特徴です。
このルスカシリーズは、当時の北欧の暮らしに根ざした「実用的で美しい器」をコンセプトに作られ、今ではヴィンテージ市場で人気が高くなっています。使い込むほどに味わいが増す素朴な質感と、丈夫な作りが魅力です。
ルスカの刻印が消えやすい理由
「刻印がないと偽物?」と思われがちなルスカですが、実は刻印が簡単に消えてしまうのがこのシリーズの特徴です。なぜ刻印が消えるのか、その理由を詳しく見てみましょう。
浅く押されたバックスタンプ
ルスカの底面にあるバックスタンプ(ブランド刻印)は、他のアラビア製品と比べて非常に浅く押されています。この浅さが、使用や洗浄時の摩擦で簡単に擦れて薄くなり、最終的に消えてしまうのです。
食洗機使用による影響
現代の食洗機は高温かつ強力な洗浄力を持っていますが、1960〜70年代のルスカは現代品ほど耐久性がありません。食洗機に入れると、釉薬や刻印部分に負担がかかり、刻印が早く薄れて消えてしまいます。
長期間の使用と経年劣化
50年以上経過したヴィンテージ品のため、経年劣化で釉薬や刻印部分が薄れ、見えにくくなってしまうのも当然の現象です。使い込むほど味が出る反面、刻印は失われやすいのです。
他のアラビア製品の刻印との違い
同じアラビアブランドでも、シリーズによって刻印の耐久性は違います。たとえば「カレワラ」「パラティッシ」などは刻印が深くしっかりと押されており、食洗機に入れてもほとんど消えません。
それに対しルスカは釉薬のかかり方や刻印の浅さにより、消えやすい性質を持っています。これが「刻印がない=偽物」という誤解が生まれる主な原因です。
ヴィンテージ市場で見かける「刻印なしルスカ」
メルカリやヤフオク、蚤の市などで「刻印なし」のルスカが多く出回っていますが、これらは多くの場合、本物のヴィンテージ品です。実際、長年使用されてきたために刻印が消えたものがほとんどなのです。逆に言えば、刻印がはっきり残っているルスカはかなり状態が良いか、使用頻度が少なかった貴重な品。刻印なしのルスカは「実際に使い込まれた本物の証」とも言えます。
刻印がない=偽物?正しい見分け方
刻印がなくてもルスカが本物かどうかを判断するには、以下のポイントを押さえておきましょう。
釉薬の色と質感
ルスカ特有の深みのある茶色の釉薬は独特です。模倣品は色味が浅かったり均一すぎたりして、質感に違和感が出ることがあります。ただし、ルスカは本物でも一つ一つ本当に色合いが違います。媚薬の色合いだけで偽物だと言い切るのはとても難しいのでは、というくらい様々です。
同じルスカでも明るい色が好き、暗め、黒っぽいルスカがいいなど、ルスカファンの間では色味を選んで買う人も居るくらいです。媚薬の色合いで偽物だと判断することもできますが、かなり難易度の高くなります。
形状や厚み
ルスカはどっしりとした厚みと重量感があります。軽すぎるものや薄すぎるものは注意しましょう。
シリーズの特徴を理解する
ルスカは特有の丸みのある形状とシンプルなラインが特徴です。写真や専門サイト、書籍を見て特徴を把握しておくことが大切です。
バックスタンプは一種類ではない
そして、ルスカのバックスタンプは一種類ではありません。時代によりバックスタンプが変わります。どのバックスタンプのルスカも本物ですので、以前に買ったルスカとバックスタンプが違うから偽物だ!などという事はありません。
ルスカの本物の特徴と注意点
刻印の有無だけでなく、本物のルスカには以下の特徴があります。
- 釉薬のムラや小さな気泡:手作り感が残っている証拠で、模倣品にはなかなか出せません。
- 素朴な形状と落ち着いたデザイン:派手な装飾はなく、使いやすさが第一。
- 適度な重みと厚み:割れにくい丈夫な作り。
- 年代による微妙な色の違い:古いものほど釉薬の色味に深みが増す。
また、ヴィンテージ食器は状態に個体差があるため、多少の傷や使用感はむしろ味わいとして捉えられます。
刻印が消えてもルスカは本物
アラビア ルスカの刻印は、他のシリーズに比べて非常に浅く押されているため、長年の使用や洗浄、特に食洗機による強い摩擦で簡単に消えてしまう特徴があります。そのため、刻印がないからといって偽物だと決めつけるのは間違いです。むしろ刻印が消えているということは、長く愛用されてきた本物のヴィンテージ品である証拠とも言えます。刻印の有無にこだわるよりも、釉薬の色味や質感、形状や重みなど、ルスカならではの特徴をよく理解することが大切です。刻印が消えていても、その器には北欧の歴史と温もりがしっかりと刻まれているのです。
ルスカは現在、廃盤となっていて新品を直営店で購入することはできません。そのため、偽物かもしれないと不安になることもありますが、刻印が無い=偽物という訳ではありません。
この記事が、刻印が無いからアラビア ルスカが偽物ではないかと不安に思う人の悩みを解消し、楽しい北欧食器ライフの助けになれば幸いです。